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どんぐりドッジボール 近所をてくてく歩いていたら、ある夫婦に呼び止められました。 ーすみません、お嬢さん。 ーへえ。 ー洋服買ってくれないかしら? ーはん?あ、服を処分したいのね。 お気持ち分かるわぁ。 ーほらこれなんか良いセーターでしょう? 職人が編んだのよ。 ウールだからあったかいし。 ほらこっちのも素敵でしょう? 1枚30ユーロよ。2枚一緒なら50ユーロでいいわ。 ーでもちょっとこれ丈が短すぎ・・・ ーそんなことないわよ!伸びるわよ!(と言って縦にひっぱる) ーいや、無理だから! ーあなたに絶対に似合うと思うわ。 だってこれ本当に素敵だもの。 なんたってあったかいのよ。 ね、あなた、これほしいでしょう!? ー・・・のんめるしー。 ー・・・じゃあこっちのはどう? これも素敵なのよー。 ーあら、ほんと、ちょっと良いかも。 これいくら? ー30ユーロ。 ー25! ー・・・わかったわ・・・。 かくして、ベルベットで縁取られているちょっとお上品なグレーのカーディガンは私のものとなりました。 それにしてもマダム、かなり強引でした。 根津神社でのフリマ、このくらいの勢いでも良かったのかもね。 |